目次
はじめに:健康寿命を「楽しく」伸ばすという発想
日本では平均寿命は世界的に高水準にありますが、自立して健康に暮らせる期間(=健康寿命)と平均寿命には差があります。
長く生きるだけでなく、元気に自分の足で動ける時間をいかに延ばすかが重要だということは、言うまでもないことかもしれません。
忙しい日常の中で「運動を続けられない」と感じる方が多い中、私は社交ダンスが楽しく続けられる手段として健康寿命を無理なく延ばすのにちょうど良い趣味だと考えています。
この記事では、研究(エビデンス)を参照しつつ、なぜ社交ダンスが健康寿命に最適だと思うのか、そして50代から始める人にとっての具体的なメリットをわかりやすく説明します。
まず始めに「健康寿命」の現状と、運動の位置づけを書いていきます。
ちょっと堅苦しく感じるところもあるかもしれませんが、
無理なく楽しく健康寿命を延ばしたい方は、どうぞ最後まで読み進めてください。
社交ダンスが健康寿命を延ばす“3つの”理由
まず、健康寿命について、少しお話しさせていただきます。
日本の最近のデータでは、平均寿命に対し健康寿命の差が存在し、その差が老後の介護や生活の質に直結しています。
令和4年の統計では、健康寿命は男性72.57歳、女性75.45歳と報告されています。健康寿命を数年でも延ばすことは、介護負担の軽減だけでなく、本人の生活の質も大きく改善します。 厚生労働省
そんな中、社交ダンスが健康寿命を延ばすのに適している理由は、大きく分けて
- 身体的効果
- 脳への刺激
- そして社会的つながり
の三本柱にあると思っています。
それぞれについて、代表的な研究や公的ガイドラインと照らし合わせながらお伝えしていきたいと思います。
バランス感覚が養われて転びにくくなる
社交ダンスはリズムに合わせて継続的に体を動かすため、有酸素運動として心肺機能を保つ効果が期待できます。
WHOなどのガイドラインも、中高年に対して定期的な身体活動(有酸素運動+筋力維持)を推奨しています。
社交ダンスのように楽しく続けられる運動は、ガイドラインの意図する「継続可能な身体活動」に合致します。 世界保健機関+1
さらに、ステップの切り替え・重心移動を含む動作はバランス感覚の改善に役立ちます。
バランス能力の向上はちょっとした段差で転ぶなどと言った転倒するリスクの低下につながり、これが健康寿命を延ばすことにも繋がります。
また、社交ダンスは歩くことがベースとなっているため、下半身運動がメインです。
足腰を鍛えておくと、いつまでも自分の足で歩けるようになり、筋肉量が増えることで、代謝も良くなりアンチエイジング効果も期待できると思います。
認知症予防ナンバー1!脳が活性化される
社交ダンスは大きく分けて以下の3つの特徴があります。
- ステップの記憶
- 音楽のリズム把握
- パートナーとの関係性
このように、身体運動と認知活動が同時に行われます。つまり、身体と頭を同時に使います。
音楽に合わせてステップを覚え、リズムと空間認知を同時に行う社交ダンスは、単調な運動以上に認知機能を刺激します。
こうした複合的刺激は認知機能の維持に有効であることが示されており、実際に、複数の研究でダンスが高齢者の認知機能維持によい可能性が示されています。
代表的な研究として、Vergheseらの2003年の研究では、レジャー活動のなかで ダンスが認知症リスクの低下に関連することが報告されています。
ダンスは、記憶や判断・注意といった脳の複数領域に良い刺激を与えることが期待されます。 New England Journal of Medicine+1
さらに、Rehfeld(2017)の介入研究では、ダンスを行うことで高齢者の海馬(記憶を司る脳領域)に可塑性の変化が生じ、バランス能力も向上したと報告されているようです。
身体と脳を同時に使う点が、ダンスの特徴です。 PMC
社会的な繋がりで心も健康になる
社交ダンスはペアやグループで行うことが多く、人との交流が自然に生まれます。
社会的つながりは孤独感の軽減やストレス解消に役立ち、生活に彩りがでてくるでしょう。これが、長期的に、健康全般に良い影響を与えるのだと思います。
WHOも社会的健康の重要性を強調しており、対人関係を含む活動が長寿やQOL(生活の質)向上に好影響を与える点は見逃せません。 世界保健機関
心血管疾患リスクを低下させるエビデンスがある
さらに、ダンスを踊ることが心血管疾患による死亡リスクを低下させるという疫学研究もあるようです。
Meromら(2016)の研究は、中程度の強度のダンスが心血管疾患死亡リスクを低下させる可能性を示しており、ウォーキングと比較しての有効性も報告されています。 AJPMonline+1
こうしたデータは、ダンスが生活習慣病のリスクを減らす可能性も高いことを示唆しているのだと思います。
社交ダンスなら「楽しく続けられる」理由
健康効果は「続けることで実現」します。
ジムの厳しいトレーニングよりも楽しさ・社交性・音楽性を備えた社交ダンスは、継続率が高まりやすいのが特徴です。以下の点が特に重要です。
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楽しさ:音楽と動きが結びつくため「運動=辛い」ではなく「運動=楽しい」へ変わる。
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やりがい:新しいステップを覚える達成感が得られる。
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交流:パートナーや仲間との会話や繋がりが癒しにもなる。
研究は「楽しみながらできる活動ほど長く続き、長期的な健康効果が出やすい」と示しています。
(WHOガイドライン参照)。世界保健機関
つまり、楽しい活動=持続→効果の好循環を作ることが健康寿命を延ばすことに繋がるようです。
50代から始める社交ダンスはメリットがたくさん!
50代の方が社交ダンスを始めるときのメリットを簡単にまとめてみました。
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関節に優しい運動:過度な衝撃が少ないため、関節症の方や運動習慣が少ない方にも比較的始めやすい。
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日常動作が楽になる:姿勢や歩き方が整い、階段や買い物といった日常の動作が楽になる。
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社会的ネットワークの広がり:地域のサークルや教室で仲間ができ、精神的な支えにもなる。
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検査値の改善が期待できる:心血管疾患リスク低下の疫学的示唆があるため、生活習慣改善にもつながる可能性がある。
ダンス参加と心血管疾患による死亡率11の英国人口ベースコホートのプール分析AJPMonline+1参照
また、続けるには通いやすさが継続の鍵になります。
仕事帰りにレッスン、週末に練習といった、日常の一部にしやすいい環境を選ぶのがおすすめです。
ここで大切なのは、あなたが生活の中で無理なく続けられるかどうかです。
具体的に言うと、
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楽しさ(音楽・仲間・達成感)
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継続しやすいペース(日常の合間に取り入れられるか)
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安心感のある指導(個人レッスンや少人数制)
社交ダンスはこれらの条件を満たしやすく、結果として健康寿命を延ばす大人の習い事としておすすめです。
よくある質問(Q&A)をまとめました
Q1:運動習慣が全くないが大丈夫か?
A1:大丈夫です。社交ダンスは「歩く」を基礎にしているため、個人レッスンで基礎から学ぶのが無理なく始められるのでおすすめです。
Q2:どのくらい続ければ効果を感じるか?
A2:個人差はありますが、月に数回でも、3か月程続けることで姿勢改善や日常動作の楽さを実感する方が多いです。
Q3:医師から運動制限を受けているが参加できますか?
A3:医師と相談の上、個別にご自分に無理のないペースで続けると良いと思います。
体験レッスンのご案内
もし「まずは試してみたい」と思われたら、見学、問い合わせ、又は体験レッスンに参加してみてはいかがでしょうか?
実際に体験してみることで、これらを実感することができます。
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インストラクターの指導スタイルは自分に合うか
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教室の雰囲気や通いやすさ
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自分のペースに合わせた無理のない進め方
私のレッスンでも、50代以上の初心者の方を対象に、姿勢・歩き方の基礎→簡単なリズムでの実践まで丁寧に行っています。
体験後にペースや予定を一緒に続け方を決める形なので、無理な勧誘はいたしません。ぜひ一度お気軽に参加してみてください。
とは言っても、まだまだ敷居が高い、勇気がいることかもしれません。
ですが、なんとかその一歩を踏み出しいただけるよう背中を押せたらと思っているので、「丁寧で優しくてわかりやすい」と定評をいただいている、
マンツーマンの社交ダンスの体験レッスンをご用意しています。
まずは私と一緒に体を動かして、自然と運ばれるように踊れてしまう社交ダンスの楽しさを実感していただきたいです。
当教室のレッスンは、気軽に普段の生活に取り入れていただきたいとの想いから、普段着に運動靴でもご参加いただけます。どうぞお気軽にお問合せください。
(↑実際の体験レッスンの様子)
体験できる場所・・・五反田・巣鴨・市川
初めての社交ダンスマンツーマン体験レッスンについて詳細はこちら
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私自身、社交ダンスを通じて人生が変わりました。
そして、これまでに指導した多くの生徒さんも、姿勢が良くなり、体型が引き締まり、人生が楽しくなったと喜んでいただいています。
皆さん本当に明るくて生き生きとされています。
- 「運動が苦手、ブランクがある」
- 「リズム感に自信がない」
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と悩んでいる方も、安心してください。当教室でお伝えしている社交ダンスは、どんな方でも楽しめるダンスです。
年齢や運動経験の有無に関係なく、歩ければ誰でも踊れます。まずは体験レッスンで、私と一緒に楽しく踊ってみましょう!
ぜひ、気軽にお気軽にお問い合わせください。
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研究で示された具体的効果(信頼できるエビデンス)
以下は特に重要な研究・報告です。ブログ読者が「信頼できる根拠」を求める場面で役立つ引用を厳選しました。
健康寿命の現状(日本・公的データ):厚生労働省の公表による令和4年値(男性72.57歳、女性75.45歳)。健康寿命延伸の社会的意義を示す。 厚生労働省
認知機能とダンス:Vergheseら(2003)は、各種レジャー活動の中でダンスが認知症リスク低下と最も強く関連することを示した。身体+認知+社会性が複合的に効く点が注目される。 ニューイングランド医学雑誌
脳構造とバランスの改善:Rehfeldら(2017)は、ダンス介入が高齢者の海馬の可塑性(記憶領域)とバランス能力を改善したと報告している。これは単なる運動よりも高い脳への影響を示唆する重要な結果です。 Frontiers+1
心血管リスクの低下:Meromら(2016)の疫学研究では、定期的なダンス参加は心血管疾患による死亡リスクを低下させる傾向が示され、ウォーキング以上の恩恵が示唆されるデータもあります。 PubMed+1